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Jazz日記 in 「切羽詰まってバンドマン!号外」より《学級委員長のどこが悪いの?/後編》


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       切羽詰まってバンドマン!

         ----号外----

      《学級委員長のどこが悪いの?/後編》 


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俺の存在を無視するかのように、目と鼻の先でオカンが同じクラスの女の子たちに寄り添って職員室の場所を尋ねている。




しばらくして、女の子たちに丁重な礼を言ってから、教えられた方角に向かって落ち着いた足取りで、ゆっくり歩き出した。





163センチと云う、母親の年代にしてはかなり高めの身長に、師範学校を主席卒業と云う自信から来る威風。




そして、華道、茶道、書道、3つの師範代というライセンスに裏打ちされた上品な身のこなし。




それに加えて、【私は、今津菊松の娘なのよ!!】という「お爺ちゃんの威光」が、充分な心の支えに成るらしく、ここ一番勝負に出る時には一切の恐怖心が無くなる。







まぁ、あの気品の漂う風貌と、洗練された佇まいを見たら、とても母子家庭の貧乏所帯とは思えんでしょうね。






『貧乏なんは仕方のないことやから別に恥ずかしい事でも何でもないのよ!ただ、貧乏くさいっていうのは論外よ!これは格好悪いし恥ずかしいことなのよ!』




オカンの口癖ですわ。




「貧乏くさい」というのを若い人たちに説明するとすれば…



「投げ銭」で客集めしてる下品な店に、平気な顔して『右や左の旦那様ぁ〜哀れな乞食にぃ〜お恵みを〜』っちゅーて客に小銭をせびってる連中みたいな奴らのことかな。



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家に帰ってきた俺をオカンは笑顔で迎えてくれた。




『学校の先生なんか皆一緒やからね・・・どんな生徒に対しても分け隔てなく平等に!とか、あれ大嘘やし。』




『・・・・・・・・・・・』




『でも、そんなことは別に悪い事でも何でも無いんよ。
先生も人間やねんから好き嫌いが有って当然でしょ?
人間、誰だって好み云うもんが有るからねぇ。仕方ないんよ。』




『・・・・・・・・・・・』




『地球が無くなっても、エコ贔屓や差別だけは無くならないしねぇ。
どうせ、差別されるんやったら贔屓される側に回ってた方が得よ!』




『・・・・・・・・・・・』




『2年生の時に担任やった米田先生みたいな根っからのド助平タイプは扱い易いんやけど・・・
3年生になってからの三船先生は女の先生やから、ちょっと心配してたのよ。
男の子の目立ちたがり屋を心底嫌う女の先生て時々いるからね。』




『・・・・・・・・・・・』




『でもまぁ、今日の様子やったら大丈夫そうやね。
結婚して二人の子供を育ててはるから人並みの苦労もしてるやろし。
学校の先生にしてはベッピンさんやから変なコンプレックスも無いし、
三船先生の旦那さんも小学校の先生をされてるそうやね?』




『いや、知らんけど・・・』




『そう?見た目より気さくな人やよ。
こっちが平身低頭で謝ってたらエラい恐縮して何から何まで全部喋ってくれはったよ。』




『なんで謝ったん?』




『なんでて・・・雅仁が学級委員長になってしもたからやがな!』




『それのどこが悪いのん?』




『アホやなぁ・・・エエ悪いの話と違うのよ。
人に支持されて上に立つ云うのは魅力がある証拠なんよ。
ただ、その魅力を妬ましく思う人も必ず居るということ考えなアカンよ。
出る杭は打たれるて言うでしょ?
急に目立つと面白くないと思う人達も増えるのよ。
昨日、アンタの話を聞いてたらクラスの生徒には相当人気がある云うのだけは解ったんやけど・・・
それを先生がどう思ってるかが心配やったのよ。
通知簿にオール5が並んでたらエエんやけど、実際そうと違うんやし。』




『・・・・・・・・・・・・』




『でも、あんまり関係なかったみたい。
三船先生曰く、今津君はクラスのムードメーカーだから皆の気持ちを明るくするし、
リーダー的存在で面倒見もエエそうよ。
少しばかり脱線するようですが、それは私が軌道修正すれば良いことなので・・・てね!
それにしても、他の先生にもウケが良いのには正直驚いたけどねぇー
結構ウマいこと立ち回ってるやんかぁー!』




『嫌な言い方するなぁー』




『ハハ・・・ゴメン、ゴメン。
まぁ、取り敢えずは援護射撃だけはしといたから安心して学級委員長に専念したらエエやん!』




『そうなん?・・・有難う。』




『はいはい、素直やねぇー』




『うん!それはそうと、なんで着物を着て来たん?』




『ん?着物?...それはねぇ、世間知らずの代表選手と会うには、それなりの格好や接し方が有るのよ!』




『世間知らず・・・て?』




『雅仁は、今そんなこと解からんでもエエのよ。
そのうち嫌でも解って来るんやし。
それより、これからは言葉遣いにだけは気を付けて皆から信頼されるように頑張って下さいよ!』




『わかりました!』





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オカンは「先生」と呼ばれる職業の人間に対しては、一種の差別意識があった。

 
自分が教職に就いていたせいも有るんやろうけど、人を見てくれだけで判断する連中が「先生」と名の付く職種に大勢いると思い込んでいた。

 

中でも「医者」や「政治家」それに「法曹関係者」この辺りはドブネズミの様に嫌っていた。



【清廉潔白】【質実剛健】を美徳とした祖父に育てられたオカンには、世間一般に蔓延る「不条理」をどうしても許すことが出来へんたんやろね。


 

せやけど...

 

もうちょっと融通を利かすことが出来てたら...

 

あんなに苦労ばっかりせんでも済んだのに...

 

て云うか...

 

あと少しだけでも「男」に対して寛容やったら...


 
人生の半分は笑てられたと思う。



厳し過ぎたもんなぁー 



オカンは「男」の基準をお爺ちゃんにした時点でアウトやったんや。



天然記念物は、鑑賞するもんであって、人生の規範になんかにしてしまうとエラい目に会うんよ!!




最後の最後で、やっとオカンはその事に気付いたみたいやった。

 

そら、遅過ぎたとは思うよ。


 
でも...気付かんよりは全然マシやもんねぇー







         つづく

              

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by funky-ts-kr | 2018-03-12 03:29 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)
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