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切羽詰まってバンドマン!
----第65号----
《チック・コリアが肩を叩いて起こしてくれた/を書くつもりが...》
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盛大に幕を開けた
「チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエバー大阪公演 / 1974」
日本中を興奮の渦に巻き込んだ前年のラテン色の強かったあの『チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエバー』
ところが...
幕が開いて現れたのは、バンドロック色を前面に押し出した新ユニット
♬ズンズンチャ!♬ズンズンチャ!♬ズンズンチャ!♬ズンズンチャ!
♬ピロリロリン!♬ピロリロリン!♬クキャッキャー!♬クキャッキャー!
♬ハケトジャリー!♬チミョムレソー!♬ミョキュゴンバー!♬ソマケゴピュー!
♬ホレミ~ヤ!♬ホレミ~ヤ!♬イ~ワンコッチャナイヤンケー!!!
♬ツイデニ!ツイデニ!♬キャー!!!!!!!!
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大阪に来て、こんなことされてもねぇ・・・
聴衆の殆どが付いて行けてなかった感じ。
レコードだけが唯一の頼りである日本のジャズファンにとって、当時の米ジャズシーンの
急激な変化に即時対応をしろと言う方がどだい無理な話。
なんせ、他所へ出張って因縁を付けては喧嘩を吹っかけ、戦争路線へひた走るアメリカと、
方や戦争反対を売り文句にゼニ儲け....じゃなかった、高度経済成長路線をわき目もふらず真っ直ぐに走り続けてた日本ですもん。
まさに(山口組と越後屋)の構図😍
そんな日本とアメリカの音楽家や音楽ファンの考え方にも天と地ぐらいの差は出ますわな。
と申しましても、かなり前の話ですけどねぇ・・・
どないな頃かと申しますと。
『えーーーー!!時は元禄十五年!パン!パン!』
(いや、そんな前と違うけど・・・)
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1960年代後半
北と南に分かれて、より一層の激しさを増したベトナム戦争。
戦火は広がったまま治まる気配すら無く、戦いは泥沼化の様相を呈しながら1970年代に突入。
アメリカ本土では反戦運動による社会不安や景気の混乱が国民の心に浸透し、その影響は音楽界にも飛び火して行った。
フォーマルな演奏形式のクラシックとは違い、時代をそのまま反映する音楽であるジャズにとって、目まぐるしく変わるアメリカの社会状況はジャズ界はもとより、主役であるジャズ・ミュージシャンたちの心にも大きな波紋を広げていた。
アメリカの影響をモロに受ける日本に於いても体制に反発する学生運動は盛り上がりを見せたが、桜田門の強大な力の前には到底、敵う筈もなく学生及び運動家の皆さん揃って「ブタ箱」へと移動。
一般社会やマスコミの大人たちになんやかんやと文句を言われながら、終息の一途を辿った。
(お昼のワイドショーでもスクエアな八代英太だけじゃなく、青島幸男や中山千夏も投石する学生をボロクソに言うてましたわな...覚えてまっせー♡)
そんな日本国の学生運動も「連合赤軍」の凄惨な事件が明るみに出たりなんかして。
世に言う・・・
「総括」~
「リンチ」~
「浅間山荘での篭城」~
~「完全実況テレビ中継」~
~「赤軍派 VS 機動隊の銃撃戦」~
~「デカい鉄球で山荘ガッシャーン!」~
~「酷寒の中でカップヌードルをすすってた機動隊の皆々様に...」~
~「嫌っちゅうほどドツかれながら・・・」~
~「やっぱり、皆さん揃ってブタ箱行きー!」
多数の死傷者を出した割には実りの無い・・・
て云うか「武力衝突」っちゅうのは最悪のシナリオを以って終焉の時を迎えるのがスタンダードなんですなぁ。
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そして・・・
1973年
ベトナム平和協定がパリで調印され、女郎屋の元締めであるニクソン大統領は出兵させたアメリカ軍をベトナムから撤退させた。
と申しましてもですねぇ・・・この後もベトナム戦争は続き、1975年までイケイケの連中が北と南に分かれて真っ向からガンガン殺り合ったんですから・・
いやはや、もぅエエ!っちゅう位、根が深かったんですなぁ・・・この戦争は。
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一方、我が国では・・・
「四畳半襖の下張事件」で作家・野坂昭如がパクられたり・・・
「としごろ」で山口百恵が歌手デビューしたり・・・
ならず者集団・読売巨人軍がセ・リーグ9連覇をゴリ押しした報いとして善良なる阪神ファンから神聖なる鉄拳制裁を巨人の選手だけでなく、取材陣にまでプレゼントしたり・・・と・・・ハハ(汗)
(ガラ悪ぅー!...まぁ、エエか)
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そんな、1973年ですわ。
ふぅー ( ゚Д゚)y─┛~~
さて!
ベトナム戦争からシレーっとフェーズアウトした、米帝国!
アメリカ・ジャズ界に目を移してみると・・・
ジャズ界の帝王マイルス・デイビスがロックビート一色の「ビッチェズ・ブルー」なんかを世に出しまして・・・
『グルグルグル~・・・お、俺のデカいグラサンがよぅ、げ、げ、現代ジャズの証なんじゃー!』と、「犬神家の一族」のスケキヨばりの嗄れた声でマイルスがうめいたかと思うと・・・『何を言うてまんねん!あんたのグラサン、どっからどう見ても仮面ライダーでんがな!!!』と、大声で一発カマしたウエイン・ショーターは、かねてから目を付けていたゲーハーのジョー・ザビヌルに言い寄って「ウエザー・リポート」を結成すると、サッサと録音に取り掛かる始末。『ええー、そうなん?じゃぁー、ぼ、僕も・・・やってイイよね』そんな気の弱いチック・コリアは、訳の解らん「サークル」と云う前衛バンドを解散して、マイルスバンドやスタン・ゲッツのバンドで一緒にピンハネされながら、コキ使われていたメンバー達に片っ端から電話を掛けまくって・・・『ねぇ、僕さぁ、今度バンド作ろうと思ってるんだ!ううん!今度のはハチャメチャじゃ無いよー!だからさぁ、もし良かったら一緒にやんない?』
『僕...ピンハネなんかしないしね。だから、だから、安心してイイんだよ!』
『ねぇ・・・いいでしょ?』
とまぁ、強引に「リターン・トゥ・フォーエバー」をレコーディングしたチック・コリア
かつての兵隊が活躍し出した事を知った
帝王マイルスは・・・
『ぐ、ぐっそー!あ、あ、あいつら、俺のおかげで有名になれた事も忘れやがって・・・
お、俺のこのデカっーーーいグラサンがぁ~~~だ、だ、だ、黙っちゃいねぇ!覚悟しやがれ!』
相変わらずのスケキヨ声で憤懣やるかたない帝王ちゃんは、取り敢えず、子分のハービー・ハンコックを拉致し、イリノイ州の地下倉庫に監禁状態にしているうちに・・・
ア~ラ不思議!アラ不思議!
机の上には、かの問題作「オン・ザ・コーナー」が出来上がっているではあ~りませんか!
そんな事とは露知らず・・・電気楽器の導入に異を唱える孤高のピアニスト、
マッコイ・タイナーに至っては・・・
『おまーりゃ、な~んも解っちゃいねーべさ!』と
質流れ品の琴を見つけて嬉しさのあまりヨダレが止まらなくなっていた。
そして・・・
彼は
「サハラ」を録音する時に
『ジャズに電気なんぞ要らねーだ!』と大声で叫びながら何を思ったのか、サックスの
ソニー・フォーチュンの土手っ腹を蹴り上げたのだ!!!
驚いたのは、バンド・メンバーの仮登録を終えたばかりの
ソニー・フォーチュン。
腹を抑えながら
『おめぇー!なにするだ!』と怒ったフォーチュンの目に飛び込んで来たのは・・・
琴を小脇に抱えて、アフリカ民謡「ケニアの大漁節」の唸り声と共にスタジオ狭しと踊り狂う孤高のバンドマン!孤高のバンドマン
「マッコト・イナタイナー」の勇姿であった。
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そんな、糞ややこしい場面に靴音高く現れたのが・・・
「メガネのパリ・ミキ」御用達ミュージシャンで有名なピアニスト、ハービー家の貰われ子・ハンコック!!
『マッコイよぅ、ワシら、アフリカ回帰とか言うてる場合じゃ無いじゃろがぁ?
おぉ!今はよぅ、アメリカの銭で飯食うとるいうんを忘れとりゃせんか?のぅ!』
『おーーー!誰かぁ思うたら、ハンコックじゃないのー!おまぁーマイルス部屋に監禁されちょったんやねーべさ?』
『おぅ!あのマイルスのオジキの変態趣味には敵わんわい!わしゃ、愛想も小想も尽き果てたけぇのー!』
『はぁーーーー!いんやぁー、なぬすろ無事で良かったげなぁー!ギョへへー』
『それよりのぅ、マッコイ!わしゃのぅ、この前【セクスタント】っちゅうレコードを吹き込んだけぇ、聴いてくれぃや!のぅ!』
『ひょやぁー!そんたらことぉー!はぁーーー!聴くべさ!聴くべさ!』
『しかしのぅ、これからはゼニ儲けの時代じゃけぇ!今年中にウレ線バンドを結成してのぅ、もぅ一発レコーディングするけぇ!まぁ、見ちょれ!題名はのぅ・・・【ヘッド・ハンターズ】っちゅうんどぅー!のぅ!どがいじゃ?』『銭っ子かぁ・・・けんどよぅ、ジャズっちゅうのはだぎゃー・・・つんまりは、アフリカ回帰んではねぇべさ?』
『バカこのぅー、いつまでも物々交換しとってどぅするんない?白人のオナゴをキャー!キャー!言わして銭を稼ぐんじゃ!』
『ほげたらこと言うちぇーても・・・わんしらの農作業ぺったら草を育てんなまんしょー』
『なにが農作業じゃ!のぅマッコイ❗
アフリカじゃろうとアメリカじゃろうとよ、ワシら旨いもん食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきてるんじゃないの❗
それも銭が無きゃできゃせんので❗ほんじゃけん銭に体張ろう言うんのどこが悪いの❗❗』
『そ、そ、そんなこと・・・オ、オラにクッチャべっても・・・』
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『ん?・・・あんた・・・確か・・・
チック・コリアのコンサートで寝てる所を出演者であるチック・コリアに起こされたんと違うかったん?』
『そうやけど・・・』
『そうやけど・・・や無いがな!早よ、その話せんかいな!!デタラメばっかり並べてんと!!』
『ま、まぁ、そんなに急かさんとって・・・』
『なにぃー!!!ほな、埋めよかぁー?』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
(汗・・・)
つづく
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