Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」4

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   切羽詰まってバンドマン!

     ----第98号----

   《八代亜紀との想い出》 


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「オバはん的ビャンドミャン」に「でも&しか的ビャンドミャン」




こんなのと同じ空気を吸いながらイイ演奏家になれと云う方がどだい無理というもの。




朱に交われば赤くなるの諺どおり、すーぐ真っ赤かに成ります。




だって、その方が楽なんだも~~~ん。




俺がバンド業界に入った頃にはバンドマンの絶対数も限りなく多かった。





従って、良いミュージシャンの数も多けりゃ、ヒドいのもそれはそれは沢山いた。





どんな世界も一緒だと思うが、名実ともに第一人者の地位で輝いているのはホンの一握りで、
残りの90%近くは何かが欠けている輝けない大勢の人間で占められている。





関西バンド業界にも超一流のミュージシャンは居たが、それこそ「雲の上」の存在でしか無かった。




喫茶店や楽屋の噂話にはしょっちゅう登場するが、一体全体どこで何をしているのやら見当も付かなかった。




会ってみたいという気持ちと、なるべくなら会いたくないという気持ちが調度、半分半分。




ん?




ああ・・・





噂話の中に登場してくる「雲の上」の大御所ミュージシャンには、必ずと言っていい程「メチャクチャ恐ろしい人」という形容がオマケで付いていたからね。





そして、その中でも「テナーの高見さん」には「怖い」だの「恐ろしい」だのという形容詞に加えて、「乱暴」「無法」「獰猛」「凶悪」「粗暴」などといったキラビヤカな名詞のオマケまで添付されていた。



高見さんの名誉にかけて言うが...


上記の形容詞、及び名詞はあくまでも「噂」の域を出ない!


後で知ることに成るが、高見さんは教養溢れる人物であり、あらゆる発想において天才的な方である。


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『もぅー、デカい声出さんといてぇなぁ・・・ビックリするやんかぁー』




『せ、せやけど、今、言うたやん!テナーの高見さんが、どったらこったらて・・・』




『どったらこったらや無いがな、大スターの高見さんやでぇー今津ちゃん、勉強になるやん、なぁ!』




『ちょ、ちょ、いや、あのね、勉強て・・・あっ!ひょっとしたら、高見さんてセカンド・テナーで来はるんと違う?』




『あんなぁー、もぅ・・・テナーのポジションはセカンドと4番の二つしか無いんやで。
今津ちゃんが4番で引っ張られてるんやったら、高見さんがセカンドに決まってるやんか!』




『あ、そうか・・・』



『フフ・・・何やったら、今津ちゃんがセカンド吹いたら?高見さんには4番に回って貰て。豪勢な4番テナーやけど、ッププ』




『なにがオカシイのん?』




『いや、いっぺんでエエから見てみたいなぁーて思てな。若手ナンバーワンで売出中の今津ちゃんの横で4番の譜面を吹いてる高見さんの姿・・・』




『想像できる?』




『うん、でも、4番の位置からやと蹴り入れるんが大変やわ。ほら、そやろ?こうしてやなぁ、右足で蹴らなアカンから、面倒臭いなぁ・・・うん、やっぱり、いちいちテナーを上げてから、こうして、ドーーーンっちゅう感じかな?カカカー』





坂本っちゃんの下品な笑い顔を見ながら、ふと、帰ったろかな?と思った。



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ロビーのドアが開いてサングラスのチリチリパーマの顔が見えた。




『ああー!ここに居ました!ラッパとテナーの二人です!』




ホールに向かって言ったと思ったら、『自分ら、こんな所で休憩してんと早よこっち来んかいなぁーもう皆さん集まってはるんやで!』




『あ、すんまへん!今そっちへ行こうと思てたとこですわ!』




(嘘吐けー!ホンマ・・・坂本のヤツ・・・エエ加減なことばっかり・・・)




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ステージにはビッグバンド用の譜面台がセットされていた。




俺が一番端っこの譜面台の前に立っていると、浅黒い顔をしたザンバラ髪の真ん中分けの人が近寄って来た。




『テナーの人ですね?僕、高見と云います。宜しく!』




『はい!今津雅仁と申します。宜しくお願い致します!』




『ハハ・・・そんなにしゃちこ張らんと・・・オモロイなぁ・・・』




『はい!』




『どうぞ、横に座って下さい。』




『はい!お邪魔致します!』




『ハハ・・・若いんですよね、確か。』




『はい!19歳です!』




『うわぁー!若いなぁー!イイですねー!ハキハキしてますねぇー!』





(ん?なんやぁ?礼儀正しい人やなぁー)



(それに...あんまり怖いことないし・・・)




そう...



この時はね。






        つづく

              

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by funky-ts-kr | 2018-01-14 05:23 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)
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