Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」

                                                                                
         切羽詰まってバンドマン!

           ----第95号----

        《八代亜紀との想い出》 


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『今津ちゃん!今津ちゃんやないかぁー!』



(ん?)



新ビッグバンドのテスト会場でウォーミングアップをしてる俺にデカい声で話し掛けて来たのは・・・



(誰やったかいなぁ?)



オカッパ頭にマイルス眼鏡(馬鹿デカいグラサンの事)真っ赤なポロシャツに裾が広がりまくったジーンズ。




(また、上げ底15センチのコッポリて・・・)



(お前は、ガロかぁ?)



『久しぶりやなぁー』



『はぁ・・・』



(悪いけど、ホンマによぅ思い出さんねん)




『京ベラ(京都ベラミ/山口組三代目田岡一雄組長が狙撃されたマンモス・キャバレー)で一緒に演奏したんが最後やな?』



(最後て・・・そないに何回も・・・こんなオッサンと?)




『今津ちゃんもこのフルバンにパリヒ(引っ張り)されたん?』




『はぁ』



『4番テナー、や、なぁ?』



『そうですけど』



『あっと、そーかぁー・・・セカンドが・・・あっそやな!そっかそっか!エエやん!今津ちゃんやったらバッチシやがな!』



『はぁ・・・』



(何がバッチシやねん?よぅ解からんオッサンやなぁ・・・それより、オッサン誰?)



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『今津君ですか?』



振り向くと体格のエエ、アゴ髭を伸ばした中年の男が立っていた。



『ご苦労さんです。私、ドラムの吉澤です』



『あ!初めまして、今津です!どうぞ、宜しくお願い致します』



『ハハ・・・噂通りやなぁ・・・キッチリしてはるわ』



『はぁ?』





『いやいや、バンドの世界は速いんですよ、噂が。それで、坂本っちゃんとは知り合いですか?』




(坂本?ああ、そうかぁー!坂本さんやったんや!)




『ああ、はい!以前、京都のベラミでご一緒させて貰たんです』



『そうですか、いや、すみません、手を止めてしもて。どうぞ続けて下さい、練習の方を』



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楽器を吹き出して30分も経っただろうか。



続々とバンドマン達が集まって来ては、皆それぞれに楽器を出して練習を始める。




静かだったキャバレーのフロアが段々とざわつき始めて来た。




俺は一区切り付いたので、さっきのオッサン、いや、坂本さんがロングトーンしている方へ歩いて行った。




『坂本さん!ねぇ!坂本さん!』




『あ、なに?』




『いやーーー久しぶりですねー!』




『さっき、ワシがそれ言うたやん』



『ゴメン!僕、さっきは全然解らへんかったんよ!あんまりオカシな格好してるから、誰やろと思て・・・』




『えーー!なに?ほ、ほなら自分、空返事してたんかぁ?』




『せやから、謝ってるやん!なっ!さかもっちゃーーーん!』





このオッサン、いや、坂本さんという人は先輩なんやけど、じぇんじぇーーん気を使わんで済むメッチャ楽な人なんよ。




俺より5,6歳上やったかな?忘れたけど・・・どーーでもエエんよ!そんな細かいことは!




とにかく、完全なM気質の人でねぇー(キャハッ!素敵ぃー!)バッチリなんよ、完全ドSの俺との相性が!




『ワリィ!今、ウォーミングアップしてる最中やから』




『うん!解ってる!それでなぁ、ちょっと聞きたいことが有るんよ』




『なに?どしたん?いや、アカン・・・後にして』




『なにがアカンのん?なんで後回しなん?ねぇーなんでやのん!なんで?なんでか言うてくれたら邪魔せえへんから!』




『もぅーうるさいなぁ・・・』




『ほらぁーぜんぜん練習になってへんやんかぁ、なぁ!集中できへん時はなんぼ吹いても身につかへんで!なぁー、なぁーて!』




『もぅー!なんやねんなぁー!わかった、わかった!』




『わかってくれた?あーーー良かったぁー!』



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二人して缶コーヒーを買い、誰も居ない静かなロビーの椅子に腰を下ろした。




『ところで、今津ちゃん、ビータバンド(旅バンド)は嫌やったんと違うのん?』




『ビータバンドて?』





『今回のビッグバンドの事やがな、殆どビータやで』




『なに言うてんの!アホらし、今回のビッグバンドは此処のステージでジャズばっかり演奏するんが仕事やんか!』




『はぁ?また、自分も夢みたいな事を言うてからに。あんなぁー!箱バンを結成するんやったらやでぇ、わざわざ与那城さんや

高見さんみたいなビッグネームまで引っ張って来るかいな!』




『ど、どーいうこと』




『ホンマに何も知らんのん?』




『うん・・・グランドキャバレーでジャズ、としか・・・』




『アチャー!もぅー、しゃーないなぁー。よぅ聞きや!今回、新たにビッグバンドを結成したんはなぁー』



『うん』




『関西方面での八代亜紀専属のビッグバンドを作る為や!』




『ええーーーーーーーー!!!』



                      つづく

              


by funky-ts-kr | 2018-01-13 22:34 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)
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