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「切羽詰まってバンドマン!」の宣伝用サービス号も最終回を迎えました!
振り返ってみれば・・・
転校した小学校に出来た「トランペット鼓隊」に憧れて、入隊を夢見るも・・・
世の中の無常の風に一度は、はかなく散ってしまい・・・
自暴自棄になった俺の脳裏を過る(よぎる)悪への道。
(こんな理不尽な世間ならば・・・いっそのことヤクザ社会に身を落としたろかぁー!!)
しか〜し!
(ああ・・・どうしても俺はトランペットが吹きたい!)
その岩をも通す一念と、持ち前の諦めの悪さに加え、押しの強さ(ガラの悪さ?)も手伝って・・・
(加えたり、手伝ったり、いろいろ大変や)
ここに晴れて!無事!めでたく!
親友の本庄君と二人揃って入隊決定!
そして・・・ちょうど同じ時期!
いつものオカンの気紛れが、偶然にも知らず知らずのうちに俺を音楽への道に誘う(いざなう)呼び水となっていた。
「クラシック全集十枚組」⇒「オカンの映画好き」⇒
⇒「映画・美しき青きドナウ」⇒「テレビ導入」⇒
⇒「毎日映画三昧」⇒「映画・グレン・ミラー物語」⇒
⇒「映画・ベニー・グッドマン物語」⇒
⇒「映画・5ペニーズ」⇒
⇒「中学入学で始まる音楽道」⇒
⇒「御影高校吹奏楽部の強者たち」⇒
⇒「たて笛でフェイク」⇒「麻雀とジャズの中2時代」⇒
⇒「国際会館コンサート」⇒「演奏曲は総て俺の選曲』⇒
⇒「ちなみに全曲トランペット・ソロフューチャー」⇒
⇒「コンクール・ボイコット事件」⇒
⇒「神戸ヤマハ・ビッグバンド」⇒
⇒「阪急少年音楽隊へ入隊」⇒
⇒「中途退学・即プロデビュー!」
このメルマガも最初は、「日記形式」で書いていくつもりだったが・・・
どうせなら「小説仕立て」の方がオモロイがな・・・と。
しかし、ここに来て・・・
(俺は一体全体、どういう道を辿ってジャズの世界に入ったんやろ?)
(・◇・)?
(おじいちゃんは貧乏政治家、オカンもオトンも学校教師・・・どう贔屓目に見ても全員、音楽的な素養ゼロ!特にオカンは音痴!)
(家庭環境からすると・・・音楽家を目指すのは・・・無謀ですわな!)
(はて・・・ほな、なんで、プロのミュージシャンになれたんやろ?)
(・◇・)?
色々と昔の記憶を手繰り寄せて行くと・・・
点と点が結び付いて、これがまた楽しいんですわ f^_^;
せやから、読者が居ろうが居るまいと書いて行こうと思うんです。
ホンマの事をね (^_^)v
まぁ・・・道楽っちゃー道楽ですけど・・・ ¬ ('〜`;) г
やっぱり、「銭が絡んで来ない表現活動が大前提!」で無いと、エエものは生まれて来ない!!
っちゅーことかなぁ・・・
では・・・
「切羽詰まってバンドマン!」
第八弾の全物語をどうぞ!!
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切羽詰まってバンドマン!
----第8号----
《どうすれば、ジャズ・ミュージシャンになれるか?》
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「ポータブル・ステレオ」と「クラシック全集十枚組」
オカンからの贈り物である。
さて・・・どうしたものか。
「ポータブル・ステレオ」は、良いにしても・・・
「クラシック全集十枚組」て、何?
ましてや、LPレコードと云う大きな円盤など、見たことも聞いたことも無い。
手にとって眺め回してみても、ワクワク、ドキドキ・・・しない。
ジャケット裏面には、沢山の文字が書いてある。
【作曲者の名前】
ドボルザーク、ウェーバー、ロッシーニ、ヴェルディ、ビゼー、ドビュッシー、ショパン、リスト、ブラームス、サン・サーンス、シューマン、シューベルト、メンデルスゾーン、スメタナ、グリーグ、ベートーヴェン、ヘンデル、シベリウス、グノー、ムソルグスキー、チャイコフスキー、スーザ、ハチャトゥリアン、シュトラウス、オッフェンバックetc…
えーーーーっと
どちらさん?
この人ら・・・
いったい誰なの?
知らない名前ばかりである。
そして、【曲の解説】
読んだが・・・書いてある意味が理解できない。
何を言ってるのか、さっぱり解からん。
(これ・・・日本語かぁ?)
(俺が生きてきて、初めて出会う言葉ばっかりやんけ!)
(狂おしくだの、叙情的だの、華麗な趣きだの・・・)
(何が、どうしたん?)
困った!
困り果てた!
昨日の夜は、「ポータブル・ステレオ」から流れる音に驚き「うわぁー!凄い!」とか言いながら素直に喜んだ。
俺の喜ぶ顔を見たオカンも満足げだった。
が・・・しかし・・・
それは、家の中で初めて「音楽」が流れたことに興奮しただけだ。
別に聴こえてきた音楽に感銘を受けた訳でも何でもない。
しかし、一夜明け学校から帰宅して改めてプレゼントと向き合ってみると・・・
(なんやねん、これ?)
(どないする?)
(これは、エラいことになったぞ・・・)
(プレゼントして貰ったのに、内容がさっぱり解からんて・・・)
(オカンが選んだ折角の贈り物にケチを付ける事になるがな・・・)
(それは、マズい!)
(それだけは出来へん!)
(何故なら・・・俺は、まだ死にたくないから・・・)
(ただ、それだけ・・・)
「クラシック全集十枚組」を前に腕組みをしたまま出るのは溜め息ばかり・・・
(いつまで悩んでいても埒があかんしなぁ・・・といって、こんなことを気軽に相談できる人も居らんし・・・)
(ええい!ままよ!)
取り敢えず、一番上にあったレコードを掛けてみることにした。
ハチャトリアン作曲の「剣の舞」であった。
いきなり、ティンパニーの乱れ打ち?(俺にはそう聴こえた)と共にテンポの良いサウンドが流れて来て、今まで聴いたことの無い変則的なメロディ・・・
(なんやぁ?これは!)
澱むこと無く、一気に演奏終了!
(なんや知らんけど・・・オモロイ・・・のんと違う?・・・わからんけど・・・)
直ぐに、二曲目の演奏が始まった。
ヨハン・シュトラウス作曲の「美しき青きドナウ」である。
静かに始まった演奏が美しいメロディを提示しながら佳境に入ると、俺の心は「パカッ!!」と音を立てて開いた!(ような気がした)
そして・・・
感動的なエンディング場面を迎えて演奏が終了した。
一瞬にして・・・
惚れた!!
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ヨハン・シュトラウス。
この名前が俺の心に深く刻まれるのに時間は掛からなかった。
彼は、クラシック音楽の入り口で優しく俺を迎え入れてくれた。
なによりも・・・
この
「押し付けがましくない音楽」
「親しみ易いメロディ」
「明るいサウンド」という部分に魅了された。
ずっと聴いていたい!
もっと、もっと、色々な曲を聴いてみたい!
毎日、早く学校から帰りたくて仕方なかった。
(なんか最近、嫌なことが無くなったなぁ・・・)
自分でも不思議なくらい、楽な気持ちで過ごせるように成って行った。
相変わらず、「今津家」は貧乏やし、オカンは理不尽なままなんやけど・・・
俺の心に「音楽の部屋」が出来たんやと思う。
何か嫌な雰囲気を感じると「音楽の部屋」の扉を開けて中に逃げ込む方法を知った。
小学生にとっては、少しばかりヘヴィな生活環境を乗り切る為の「処世術」を覚えたんやろね。
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多分やけど・・・
「音楽」て・・・極端な言い方をしたら・・・
「暗すぎる気分を明るくしたり」
「明るすぎる気分を暗くしたり」する為に有るんと違うかなぁ。
つづく
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日常生活そのものがアドリブです!
《切羽詰まってバンドマン!》
ペーソスに満ちた物語をユニークなタッチで描いて行った【実録小説/哀愁編】が無事終了。
現在は「日本ジャズ界の知られざるタブーに挑む!」という、未だかつて誰も書けなかった「新分野」に挑戦中!
※愛読者コメントより・・・
『心の底から笑える私の人生にとって何よりも貴重な日。
それは・・・
《切羽詰まってバンドマン!》の発刊日です!!』
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