カテゴリ:切羽詰まってバンドマン!( 27 )

Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」7

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
                                                                                
   切羽詰まってバンドマン!

     ----第119号----

   《八代亜紀との想い出》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■



八代亜紀との演奏ツアーも慣れてくると同時に楽しみの方が多くなってきた。




本当に「心」から《八代亜紀ショー》を楽しんでいた。



でも...


ツアーにアクシデントは付きもの。



いつ、何が起こるか解ったもんじゃない。




_________________________________________


あれは、九州ツアーの時だったと思う。




夏の真っ盛り。




日中の気温もその夏のピークに達していた。





俺たちバンド一行は先に会場入りして各自トレーニング。




田舎町ではよくあることだが、この時の会場は中学校の体育館。




音響や照明が使う莫大な電力を学校全体のありとあらゆる所から引っ張って来ていた。




勿論、そんなことは八代さんも俺たちバンドも、そして漫才のセントルイスも知ったっこちゃない。


※ 《八代亜紀ショーには当時、漫才コンビのセントルイスが同行していた》



_________________________________________


いつも通りにファンファーレと共に幕が上がる。



一曲目から快調に歌を披露する八代亜紀。



(なんか、冷房の効きがもひとつやなぁ・・・)




隣の高見さんが俺の顔色を見て取ったのか。




『今津くん、今日は暑いね。こんな日もあるけど我慢して頑張りましょうね!』



『えっ?あ、はい!』





高見さんという人は時々、人の心を見透かすような事をサラリと言ってのける。



まったく、油断も隙もない。

__________________________________________


ショーが中盤に差し掛かった時。



急にバンドのサウンドに異変が起こった。



と同時に会場全体が真っ暗闇に。



(ん?な、なに?)



数秒後、体育館の電気が点灯した。




それまでの仮設照明が演出する豪華さは無くなり...



蛍光灯独特の間抜けな色だけがステージ...



いや会場全体を照らした。



完全に電源が落ちてしまったのだ!



八代さんはマイクで一生懸命に何か喋っていたが...



もちろん誰の耳にも聞こえない。



困った顔をこちらへ向ける八代さん...



泣き出しそうな表情に「どうしよう?」と読み取れた...その瞬間!!!




ピアノの与那城さんが何かを弾きだした。




すると、隣に座っていた高見さんがスクっと立ち上がり、ボサノバの名曲「コルコバード」のメロディを吹き出した。



そう!



与那城さんの弾いていたのは「コルコバード」のイントロだったんだ。


軽やかにテナーを吹きながら、高見さんは舞台のド真ん中まで歩いて行く!!!


そして、舞台狭しと踊りながらテナーを吹きまくる!!!


さっきまでの《八代亜紀ショー》が、瞬く間に《高見延彦ショー》に様変わりしてしまったのだ!!!



(え?なになに...これって、どーなってるの?)





ポッカーーーーンとした瞬間!



俺は叫んでいた!!!




『うわー格好エエー!』




思わず口から出た言葉はそれだけ。




電気を使えないベースが鳴らないのに気が付いた俺はベーストーンを吹き始めた。




それに呼応するかのようにサックス・セクションはハーモニーを付ける。



いつも主役の八代さんが立っている位置でサックスを吹いていた高見さんが俺たちの方を振り向き。



ニコッ!!!




俺は...マウスピースを咥えながら...
(格好エエ!!!)





いつのまにか...



「アコースティック・ジャズ・バンドの大演奏会」が始まっていた。

__________________________________________


そして...


「コルコバード」が終わった瞬間。



ピアノの与那城さんが弾きだしたイントロは。




なんと・・・




カウント・ベイシーの「ワン・オクロック・ジャンプ」だった!





   つづく

              

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


■電子メールマガジン 《日常生活そのものがアドリブです!》

■subtitle;  【切羽詰まってバンドマン!】

■提供 : まぐまぐ!

■発行人 : 今津雅仁

----------------------------------------------------



■オフィシャルブログ : Jazz日記 2011  by 今津雅仁

   http://jazzirugi.exblog.jp/


by funky-ts-kr | 2018-01-14 23:38 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 高見延彦列伝...しばし休憩

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
                                                                                
  切羽詰まってバンドマン!

    ----第65号----

《コンサートで居眠りしてたら、チック・コリアが肩を叩いて起こしてくれた!!》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■



盛大に幕を開けた「チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエバー大阪公演 / 1974」



前年のラテン色の強かったバンドからロック色を前面に押し出した今回のバンド。




♬ズンズンチャ!♬ズンズンチャ!♬ズンズンチャ!♬ズンズンチャ!



♬ピロリロリン!♬ピロリロリン!♬クキャッキャー!♬クキャッキャー!




♬ハケトジャリー!♬チミョムレソー!♬ミョキュゴンバー!♬ソマケゴピュー!



♬ホレミ~ヤ!♬ホレミ~ヤ!♬イ~ワンコッチャナイヤンケー!!!



♬ツイデニ!ツイデニ!♬キャー!!!!!!!!




____________________________________


大阪に来て、こんなことされてもねぇ・・・



聴衆の殆どが付いて行けてなかった感じ。




レコードだけが唯一の頼りである日本のジャズファンにとって、当時の米ジャズシーンの
急激な変化に即時対応をしろと言う方がどだい無理な話。




なんせ、他所へ出張って因縁を付けては喧嘩を吹っかけ、戦争路線へひた走るアメリカと、
暴力反対を売り文句にゼニ儲け....

じゃなかった、高度経済成長路線をわき目もふらず真っ直ぐに走り続けてた日本ですもん。

 (山口組と越後屋?)




そんな日本とアメリカの音楽家や音楽ファンの考え方にも天と地ぐらいの差は出ますわな。




と申しましても、かなり前の話ですけどねぇ・・・



どないな頃かと申しますと。



『えーーーー!!時は元禄十五年!パン!パン!』



(いや、そんな前と違うけど・・・)



____________________________________


1960年代後半


北と南に分かれて、より一層の激しさを増したベトナム戦争。




戦火は広がったまま治まる気配すら無く、戦いは泥沼化の様相を呈しながら1970年代に突入。




アメリカ本土では反戦運動による社会不安や景気の混乱が国民の心に浸透し、その影響は音楽界にも飛び火して行った。




フォーマルな演奏形式のクラシックとは違い、時代をそのまま反映する音楽であるジャズにとって、目まぐるしく変わるアメリカの社会状況はジャズ界はもとより、主役であるジャズ・ミュージシャンたちの心にも大きな波紋を広げていた。





アメリカの影響をモロに受ける日本に於いても体制に反発する学生運動は盛り上がりを見せたが、桜田門の強大な力の前には到底、敵う筈もなく学生及び運動家の皆さん揃って「ブタ箱」へと移動。






一般社会やマスコミの大人たちになんやかんやと文句を言われながら、終息の一途を辿った。




(お昼のワイドショーでもスクエアな八代英太だけじゃなく、青島幸男中山千夏も投石する学生をボロクソに言うてましたわな...覚えてまっせー♡)






そんな日本国の学生運動も「連合赤軍」の凄惨な事件が明るみに出たりなんかして。




世に言う・・・




「総括」~

「リンチ」~

「浅間山荘での篭城」~

~「完全実況テレビ中継」~

~「赤軍派 VS 機動隊の銃撃戦」~

~「デカい鉄球で山荘ガッシャーン!」~

~「酷寒の中でカップヌードルをすすってた機動隊の皆々様に...」~

~「嫌っちゅうほどドツかれながら・・・」~

~「やっぱり、皆さん揃ってブタ箱行きー!」




多数の死傷者を出した割には実りの無い・・・





て云うか「武力衝突」っちゅうのは最悪のシナリオを以って終焉の時を迎えるのがスタンダードなんですなぁ。



____________________________________



そして・・・




1973年






ベトナム平和協定がパリで調印され、女郎屋の元締めであるニクソン大統領は出兵させた
アメリカ軍をベトナムから撤退させた。






と申しましてもですねぇ・・・この後もベトナム戦争は続き、1975年までイケイケの連中が
北と南に分かれて真っ向からガンガン殺り合ったんですから・・






いやはや、もぅエエ!っちゅう位、根が深かったんですなぁ・・・この戦争は。



____________________________________



一方、我が国では・・・




「四畳半襖の下張事件」で作家・野坂昭如がパクられたり・・・



「としごろ」で山口百恵が歌手デビューしたり・・・




ならず者集団・読売巨人軍がセ・リーグ9連覇をゴリ押しした報いとして善良なる
阪神ファン
から神聖なる鉄拳制裁を巨人の選手だけでなく、なんと太っ腹!
取材陣にまでプレゼントされたり・・・と・・・ハハ(汗)





(ガラ悪ぅー!...まぁ、エエか)


____________________________________



そんな、1973年ですわ。




ふぅー   ( ゚Д゚)y─┛~~




さて!



ベトナム戦争からシレーっとフェーズアウトした、米帝国!



アメリカ・ジャズ界に目を移してみると・・・




ジャズ界の帝王マイルス・デイビスがロックビート一色の「ビッチェズ・ブルー」なんかを世に出しまして・・・


a0214566_16060449.jpg


『グルグルグル~・・・お、俺のデカいグラサンがよぅ、げ、げ、現代ジャズの証なんじゃー!』と、「犬神家の一族」のスケキヨばりの嗄れた声でマイルスがうめいたかと思うと・・・




『何を言うてまんねん!あんたのグラサン、どっからどう見ても仮面ライダーでんがな!!!』と、大声で一発カマしたウエイン・ショーターは、かねてから目を付けていたゲーハーの
ジョー・ザビヌル
に言い寄って「ウエザー・リポート」を結成すると、サッサと録音に取り掛かる始末。






『ええー、そうなん?じゃぁー、ぼ、僕も・・・やってイイよね』

そんな気の弱いチック・コリアは、訳の解らん「サークル」と云う前衛バンドを解散して、マイルスバンドスタン・ゲッツのバンドで一緒にピンハネされながら、コキ使われていたメンバー達に片っ端から電話を掛けまくって・・・





『ねぇ、僕さぁ、今度バンド作ろうと思ってるんだ!ううん!今度のはハチャメチャじゃ無いよー!だからさぁ、もし良かったら一緒にやんない?』



『僕...ピンハネなんかしないしね。だから、だから、安心してイイんだよ!』



『ねぇ・・・いいでしょ?』




とまぁ、強引に「リターン・トゥ・フォーエバー」をレコーディングした。


a0214566_16064264.jpg


かつての兵隊が活躍し出した事を知った帝王マイルスは・・・



『ぐ、ぐっそー!あ、あ、あいつら、俺のおかげで有名になれた事も忘れやがって・・・
お、俺のこのデカっーーーいグラサンがぁ~~~だ、だ、だ、黙っちゃいねぇ!覚悟しやがれ!』




相変わらずのスケキヨ声で憤懣やるかたない帝王ちゃんは、取り敢えず、子分のハービー・ハンコックを拉致し、イリノイ州の地下倉庫に監禁状態にしているうちに・・・




ア~ラ不思議!アラ不思議!




机の上には、かの問題作「オン・ザ・コーナー」が出来上がっているではあ~りませんか!


a0214566_16070973.jpg


そんな事とは露知らず・・・電気楽器の導入に異を唱える孤高のピアニスト、マッコイ・タイナーに至っては・・・




『おまーりゃ、な~んも解っちゃいねーべさ!』
質流れ品の琴を見つけて嬉しさのあまり
ヨダレが止まらなくなっていた。




そして・・・



彼は「サハラ」を録音する時に『ジャズに電気なんぞ要らねーだ!』と大声で叫びながら何を思ったのか、サックスのソニー・フォーチュンの土手っ腹を蹴り上げたのだ!!!


a0214566_16073969.jpg


驚いたのは、バンド・メンバーの仮登録を終えたばかりのソニー・フォーチュン



腹を抑えながら『おめぇー!なにするだ!』と怒ったフォーチュンの目に飛び込んで来たのは・・・



琴を小脇に抱えて、アフリカ民謡「ケニアの大漁節」の唸り声と共にスタジオ狭しと踊り狂う孤高のバンドマン!


孤高のバンドマン「マッコト・イナタイナー」の勇姿であった。


......................................................................................................................................................




そんな、糞ややこしい場面に靴音高く現れたのが・・・



「メガネのパリ・ミキ」
御用達ミュージシャンで有名なピアニスト、ハービー家の貰われ子・ハンコック!!






『ワシら、アフリカ回帰とか言うてる場合じゃ無いじゃろがぁ?
おぉ!今はよぅ、アメリカの銭で飯食うとるいうんを忘れとりゃせんか?のぅ!』




『おーーー!誰かぁ思うたら、ハンコックじゃないのー!おまぁーマイルス部屋に監禁されちょったんやねーべさ?』




『おぅ!あのマイルスのオジキの変態趣味には敵わんわい!わしゃ、愛想も小想も尽き果てたけぇのー!』




『はぁーーーー!いんやぁー、なぬすろ無事で良かったげなぁー!ギョへへー』




『それよりのぅ、マッコイ!わしゃのぅ、この前【セクスタント】っちゅうレコードを吹き込んだけぇ、聴いてくれぃや!のぅ!』



a0214566_16081567.jpg

『ひょやぁー!そんたらことぉー!はぁーーー!聴くべさ!聴くべさ!』





『しかしのぅ、これからはゼニ儲けの時代じゃけぇ!
今年中にウレ線バンドを結成してのぅ、もぅ一発レコーディングするけぇ!
まぁ、見ちょれ!題名はのぅ・・・
【ヘッド・ハンターズ】っちゅうんどぅー!のぅ!どがいじゃ?』



a0214566_16085086.jpg

『銭っ子かぁ・・・けんどよぅ、ジャズっちゅうのはだぎゃー・・・
つんまりは、アフリカ回帰んではねぇべさ?』




『バカこのぅー、いつまでも物々交換しとってどぅするんない?白人のオナゴをキャー!キャー!言わして銭を稼ぐんじゃ!ほいでよぅ、ウマい飯喰って、マブいスケ抱いて、ワシらその為に生まれて来たんじゃけぇー、のぅ!』




『そ、そ、そんなこと・・・オ、オラにクッチャべっても・・・』





____________________________________________________
____________________________________________________



『ん?・・・あんた・・・確か・・・チック・コリアのコンサートで寝てる所を出演者である
チック・コリアに起こされたんと違うかったん?』



『そうやけど・・・』



『そうやけど・・・や無いがな!早よ、その話せんかいな!!デタラメばっかり並べてんと!!』



『ま、まぁ、そんなに急かさんとって・・・』



『なにぃー!!!ほな、埋めよかぁー?』




『・・・・・・・・・・・・・・・・・』



   (汗・・・)





   つづく

              

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


■電子メールマガジン 《日常生活そのものがアドリブです!》

■subtitle;  【切羽詰まってバンドマン!】

■提供 : まぐまぐ!

■発行人 : 今津雅仁

----------------------------------------------------



■オフィシャルブログ : Jazz日記 2011  by 今津雅仁

   http://jazzirugi.exblog.jp/

by funky-ts-kr | 2018-01-14 15:48 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」5

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
                                                                                
   切羽詰まってバンドマン!

     ----第100号----

   《八代亜紀との想い出》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■


「Soul Step New Sounds」




「ソウル・ステップ・ニュー・サウンズ」




新編成されたビッグバンドの名前である。




ハハ・・・(汗)




それにしても・・・




欲張りな名前ですなぁ。




誰が付けたんや?



と思っていたら。




バンマスの吉澤さんが考案して来たバンド名(ドッタラコッタラ・ニュー・オーケストラ)に物言いが付き、メンバーみんなの意見を総合して命名された、という話・・・らしい。




ん?



(なんか、怪しいな)と感じた俺と坂本っちゃんでメンバーに聞いて回ったら。




「吉澤さんの考えた名前がダサい!」と、物言いを付けたのは、このバンドのスタープレイヤー高見さんだった。




メンバーみんなの意見と云うのは、高見さんの「物言い」をニコニコ笑いながら横で相槌を打ってたピアノ&アレンジャーの与那城さん、の事らしい。




そして、言うまでもなく、意見を総合して命名したのは高見さん!





その現場に居合わせたボーヤ(バンドボーイ/ミュージシャン個人の弟子では無く、バンドそのものに付いた弟子のこと)の健二が喋った内容が余りにも可笑しくてバンドのメンバーは勿論のこと、この時の様子が関西のバンドマン連中に知れ渡るのに二、三日掛からんかったんやそうで。




(ホンマ・・・バンドマンは「喋り」が多いわ・・・)

_________________________________________

『そんなこと言われても・・・』



と、口を尖らせ+小声+ブツクサ+半泣き+状態キープがバンマスの吉澤さん。



『なんでもエエから、ワシの言うこと聞きなはれ!』(高見親分)



『ククククク』(与那城の叔父貴)




『なぁ!与那ちゃん!今時、ニュー・オーケストラて、戦前のバンドや無いんやからー。

第一やねぇ、ウチのバンドは4番トロンボーンと4番トランペットが居りまへんねんで。

そんな歯抜けのバンドにオーケストラて・・・

恥ずかしないんでっか?大嘘吐いて!

ワシは嫌でっせーハッタリカマしながら後ろめたい思いするんは!』



『ククククク』




『それより、ニュー・オーケストラの前に付いてるそのドッタラコッタラ云うんは何でんねん?
ええっ?恐ろしいセンスしてまんなぁー!





『ククククク』




『もぅー!ビックリしますわぁー!吉澤はん、あんた何処で生まれなはったんや?ハルピンでっか?それともシベリアでっか?


満州事変とか知ってるんやおまへんかぁ?あんた一体いくつでんねん?

戦後の生まれとちゃいますやろ?』



『クゥーーーー!!クックックックククク』




『ようそんな田舎臭い名前が思い浮かびまんなぁー!

ええ?

この様子やとオチオチしてられへんわ!

それこそ、ワシ等ステージで演奏するのにどんな格好させられるか今から気が気や無いわ!

まさか、シルクハットに燕尾服ちゃいましゃろなぁー?

言うときまっけど、ワシ等チンドン屋で雇われたんやおまへんねやから・・・』



『クククゥーーー!!!クワックククククーー!!!



『ホンマ、解ってんのかいなー

もぅ、ワシ・・・なんか嫌んなって来たなぁー

これ以上オカシなこと押し付けられるんやったらワシ辞めさせて貰いまっさかいな!』




『ほらほら、高見やん辞める言うてるでぇー・・・なぁ、吉澤ちゃ
ん、このバンドのスタープレイヤーが居らへんようなったら
困るんは君やで、ん?ちゃうか?』





『与那城さん、ほな、僕、どないしたら宜しおまんのでっか?』
_________________________________________

何の罪も無いバンマスの吉澤さん・・・


いや、誰にも相談せんとバンド名を決めた時点で「犯罪者」になってたんやろねぇ。



可哀想に・・・


まぁ、でも...しゃーないですわなぁー


バンドの世界は「上手い者が正義」やから・・・




   つづく

              

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


■電子メールマガジン 《日常生活そのものがアドリブです!》

■subtitle;  【切羽詰まってバンドマン!】

■提供 : まぐまぐ!

■発行人 : 今津雅仁

----------------------------------------------------



■オフィシャルブログ : Jazz日記 2011  by 今津雅仁

   http://jazzirugi.exblog.jp/


by funky-ts-kr | 2018-01-14 06:10 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」5

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
                                                                                
  切羽詰まってバンドマン!

    ----第99号----

  《八代亜紀との想い出》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■


俺は、この新しいビッグバンドの入団テストに目出度く合格した。




ひょっとしたら、今まで受けたテストの中で一番の成績やったんと違う?




そらそやわなぁ・・・




なんせ、生まれてこのかた、あんなに楽譜相手に真剣になったんは初めてやったもん。




イイ演奏をするとか、どったらこったらよりも隣にいる高見さんを怒らさんように身体中の全神経を集中させて演奏したんやから。




エラいもんで・・・5人のサックスが奏でるメロディ&ハーモニーは完璧に一つになってました。




それも、メチャ難しいカウント・ベイシー・オーケストラの譜面のサックス・ソリ辺りがよ。




吹いてる俺自身がサブイボ(鳥肌)立ちまくってたんやから。




『ヒャー!このバンドのサックス・セクションは超一流やねぇー!!』




ドラムセットの位置から吉澤さんのデカい声が聞こえてきた。




その声を遮る(さえぎる)ように高見さんは後ろを振り返り・・・




『ふん!当たり前でんがな!サックス・パートは関西で一番エエのだけを集めはったんでしょ?他のパートと一緒にされたら困りますわ!』




(うわぁー・・・気ぃ強いなぁー・・・また、デカい声やぁ・・・ハハ・・・)

__________________________________________



『これから宜しくね!なんや楽しくやって行けそうやし、ねっ!』



『はい!』





別れ際の高見さんの言葉が意外なほど優しく響いた。



此の日の高見さんは終始「紳士的」で、俺の方が恐縮するほど。



噂で聞いていた「乱暴者」という雰囲気など微塵も無く、どちらかと言えば、気の利いたジョークを飛ばす知的なセンスの良いミュージシャンといった印象。




ただ・・・蒸せ返るような「ジャズの匂い」と、迸る(ほとばしる)ような「今を生きるエネルギー」には圧倒されたけど。



後にも先にも初めてですわ、あんな人。

__________________________________________________

高見さんたち先輩ミュージシャンと別れてから、俺と坂本っちゃんは一杯呑みに行くことになった。




『今津ちゃん、高見さんに気に入られたみたいやんか、なぁ、良かったやん!』




『うん、なんか解からんけど、ずーーっと笑てはったし・・・』




『あの人が機嫌エエのん見たん初めてやわ。て言うか、高見さんの笑顔て・・・なぁ・・・あんなに笑う人やったとは・・・』




『はぁ?』




『3番ラッパの奴もビックリしてたわ。“さっき、高見さん、笑ってましたよね?” て・・・なんか、目の錯覚かと思ったんやて』




『・・・・・・・・・』




『いや、何回か一緒に仕事してるんやけど、高見さん、いっつも苛ついてはるから、みんなビビってしもてるし・・・勿論、僕もやけど』




『・・・・・・・・・』




『控え室では、他のメンバー居るのにバンバン嫌味言うてるし、それも聞こえよがしに・・・そんで、ステージでは4番テナーをガンガン蹴ってるし・・・テレビの撮りでも全然関係ないんよぉー』




『それそれ!今日もいつ蹴りが入るか、もぅ高見さんの左足が動かへんか、気になって、気になって、しょーが無かったわ』




『僕、高見さんが両足動かさんと演奏してるの見たん初めてやわ。トップラッパの仲川さんも、そんなこと言うてはった』




『う~~~~ん、なんか解からんようになって来た。さっきまではメチャクチャ緊張してたし・・・う~~ん、なんやろ?』




『それはそうと、自分、八代亜紀のバックバンドの話はエエのんか?』




『あっ!そやった!』




『カハハハハハーー!!!忘れてはるわ、この人』




『ああ、どないしょー?』




『まぁ、エエやん!八代亜紀のショーはメッチャ楽しいんやから!他のその辺の歌手なんかとは比べもんに成らへんよ!いや、ホンマに!』



__________________________________________


高見さんの事で頭が一杯になってたお陰で、八代亜紀の話がどっか行ってしもて・・・



でも、俺の心の中ではもぅそんな事どーーでも良くなっていた。



       つづく

              

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


■電子メールマガジン 《日常生活そのものがアドリブです!》

■subtitle;  【切羽詰まってバンドマン!】

■提供 : まぐまぐ!

■発行人 : 今津雅仁

----------------------------------------------------



■オフィシャルブログ : Jazz日記 2011  by 今津雅仁

   http://jazzirugi.exblog.jp/


by funky-ts-kr | 2018-01-14 05:46 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」4

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
                                                                                
   切羽詰まってバンドマン!

     ----第98号----

   《八代亜紀との想い出》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■



「オバはん的ビャンドミャン」に「でも&しか的ビャンドミャン」




こんなのと同じ空気を吸いながらイイ演奏家になれと云う方がどだい無理というもの。




朱に交われば赤くなるの諺どおり、すーぐ真っ赤かに成ります。




だって、その方が楽なんだも~~~ん。




俺がバンド業界に入った頃にはバンドマンの絶対数も限りなく多かった。





従って、良いミュージシャンの数も多けりゃ、ヒドいのもそれはそれは沢山いた。





どんな世界も一緒だと思うが、名実ともに第一人者の地位で輝いているのはホンの一握りで、
残りの90%近くは何かが欠けている輝けない大勢の人間で占められている。





関西バンド業界にも超一流のミュージシャンは居たが、それこそ「雲の上」の存在でしか無かった。




喫茶店や楽屋の噂話にはしょっちゅう登場するが、一体全体どこで何をしているのやら見当も付かなかった。




会ってみたいという気持ちと、なるべくなら会いたくないという気持ちが調度、半分半分。




ん?




ああ・・・





噂話の中に登場してくる「雲の上」の大御所ミュージシャンには、必ずと言っていい程「メチャクチャ恐ろしい人」という形容がオマケで付いていたからね。





そして、その中でも「テナーの高見さん」には「怖い」だの「恐ろしい」だのという形容詞に加えて、「乱暴」「無法」「獰猛」「凶悪」「粗暴」などといったキラビヤカな名詞のオマケまで添付されていた。



高見さんの名誉にかけて言うが...


上記の形容詞、及び名詞はあくまでも「噂」の域を出ない!


後で知ることに成るが、高見さんは教養溢れる人物であり、あらゆる発想において天才的な方である。


____________________________________________________________

『もぅー、デカい声出さんといてぇなぁ・・・ビックリするやんかぁー』




『せ、せやけど、今、言うたやん!テナーの高見さんが、どったらこったらて・・・』




『どったらこったらや無いがな、大スターの高見さんやでぇー今津ちゃん、勉強になるやん、なぁ!』




『ちょ、ちょ、いや、あのね、勉強て・・・あっ!ひょっとしたら、高見さんてセカンド・テナーで来はるんと違う?』




『あんなぁー、もぅ・・・テナーのポジションはセカンドと4番の二つしか無いんやで。
今津ちゃんが4番で引っ張られてるんやったら、高見さんがセカンドに決まってるやんか!』




『あ、そうか・・・』



『フフ・・・何やったら、今津ちゃんがセカンド吹いたら?高見さんには4番に回って貰て。豪勢な4番テナーやけど、ッププ』




『なにがオカシイのん?』




『いや、いっぺんでエエから見てみたいなぁーて思てな。若手ナンバーワンで売出中の今津ちゃんの横で4番の譜面を吹いてる高見さんの姿・・・』




『想像できる?』




『うん、でも、4番の位置からやと蹴り入れるんが大変やわ。ほら、そやろ?こうしてやなぁ、右足で蹴らなアカンから、面倒臭いなぁ・・・うん、やっぱり、いちいちテナーを上げてから、こうして、ドーーーンっちゅう感じかな?カカカー』





坂本っちゃんの下品な笑い顔を見ながら、ふと、帰ったろかな?と思った。



____________________________________________________________

ロビーのドアが開いてサングラスのチリチリパーマの顔が見えた。




『ああー!ここに居ました!ラッパとテナーの二人です!』




ホールに向かって言ったと思ったら、『自分ら、こんな所で休憩してんと早よこっち来んかいなぁーもう皆さん集まってはるんやで!』




『あ、すんまへん!今そっちへ行こうと思てたとこですわ!』




(嘘吐けー!ホンマ・・・坂本のヤツ・・・エエ加減なことばっかり・・・)




____________________________________________________________


ステージにはビッグバンド用の譜面台がセットされていた。




俺が一番端っこの譜面台の前に立っていると、浅黒い顔をしたザンバラ髪の真ん中分けの人が近寄って来た。




『テナーの人ですね?僕、高見と云います。宜しく!』




『はい!今津雅仁と申します。宜しくお願い致します!』




『ハハ・・・そんなにしゃちこ張らんと・・・オモロイなぁ・・・』




『はい!』




『どうぞ、横に座って下さい。』




『はい!お邪魔致します!』




『ハハ・・・若いんですよね、確か。』




『はい!19歳です!』




『うわぁー!若いなぁー!イイですねー!ハキハキしてますねぇー!』





(ん?なんやぁ?礼儀正しい人やなぁー)



(それに...あんまり怖いことないし・・・)




そう...



この時はね。






        つづく

              

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


■電子メールマガジン 《日常生活そのものがアドリブです!》

■subtitle;  【切羽詰まってバンドマン!】

■提供 : まぐまぐ!

■発行人 : 今津雅仁

----------------------------------------------------



■オフィシャルブログ : Jazz日記 2011  by 今津雅仁

   http://jazzirugi.exblog.jp/

by funky-ts-kr | 2018-01-14 05:23 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」3

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
                                                                                
   切羽詰まってバンドマン!

     ----第97号----

   《八代亜紀との想い出》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■



1970年代、関西バンド業界に於いて「テナーの高見さん」の名前を知らぬ者など誰一人いなかった。



ここで、その当時のバンド業界の話をしよう。



バンドの世界はミーハーだ。








その中でも二流~二流半くらいのバンドに所属しているミュージシャンに限ってミーハー度も高くなる。








三流キャバレーの三流バンドとなるとミーハーどころか、明るい話題など何一つ無いから暗さだけが先行して話に成らない。





人生の敗残者を地で行っている。





その点、一流バンドとの交流がある二流~二流半くらいのバンドのメンバーには希望がある分だけ、浮かれた奴(チャラいのも含めて)が多く存在する。





と言うより、もぅ殆どのバンドマンが浮世離れしていると言ってイイ。





加えて、お喋り好きなのもこれまた非常に多い。





とにかく、よく喋る。






音楽の話だけならまだしも、音楽以外の話題・・・それも優雅で上品な話題から、低俗で下品な話題まで、内容も多岐に渡る。





よく喋りまくるという点では、近所の「オバはん」の日常と何ひとつ変わらん。





情けない話だが、事実である。





喫茶店にダベリに行っては噂話に花を咲かせる。





よっぽど厳しいリーダーの下で音楽道に精進するか、或いはジャズキチのメンバーが揃っているか、でない限りは噂話大好物の「オバはん的ビャンドミャン」なんよ。




何故、そんな現象が起こるのか?




勿論、入団したバンドの環境が大きく左右するのではあるが、それより以前のバンド業界に入った経緯の方に問題があるようだ。





学生時代にちょっとばかし音楽にのめり込んだのが原因で単位を落とし、大学にも行かずにダラダラしているうちに何となく業界入りしたとか。





友達同士でアマチュア・バンドを組んでいた時に、たまたま先輩から誘われたキャバレーのトラ仕事が楽しくて、いつの間にかキャバレー・バンドに入り浸って・・・気が付いたら5年が経過していたとか。





事情については皆それぞれだが、だいたいが「楽に金儲けが出来る!」と錯覚したまま、そのままズルズルと・・・というパターンが大半だ。





他にも...





(なんか、格好エエやん!)




(職場には若いナオンちゃんが多い!)




(朝早く満員電車に乗らなくて済む!)




(夕方まで寝てられる!)




フザケるな!




こんな不届き千万な考え方で、一端のバンドマンとして世の中を渡って行ける筈も無い。




でも・・・




多かったのよ。




こういった不心得者が。

__________________________________________
____________________




それと・・・





「でもしか先生」的な考えの奴も結構いた。





(バンドの世界に入っては見たが・・・オレの技量や才能から推し量っても、これ以上の出世は望めんな・・・)



(出世などして何になろうか!それより大切なのは職場環境だろ?此処のキャバレーのメンバーは、みんな知り合いだし、職場は気楽。オッサン(バンマス)も小煩くないし・・・)




(バンド《でも》やってみるかぁ?っちゅう軽~~~い気持ちで此の世界に入ったし・・・)





(気が付いたらバンドの道《しか》残されてなかったんや!)





この両名が「でも&しか先生的ビャンドミャン」てな具合かな?





この手のバンドに於ける「音楽的風紀」には問題が山積している・・・ことぐらいは容易に理解できるでしょう?






        つづく

              

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


■電子メールマガジン 《日常生活そのものがアドリブです!》

■subtitle;  【切羽詰まってバンドマン!】

■提供 : まぐまぐ!

■発行人 : 今津雅仁

----------------------------------------------------



■オフィシャルブログ : Jazz日記 2011  by 今津雅仁

   http://jazzirugi.exblog.jp/



by funky-ts-kr | 2018-01-14 03:31 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」2

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
                                                                                
   切羽詰まってバンドマン

     ----第96号----

   《八代亜紀との想い出》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■




今回の新ビッグバンドの話はやね、ナンバのグランドキャバレーを箱にして、そこで思いっ切りジャズを演奏するのが仕事と聞いた・・・よね?





でも、ラッパの坂本さんの話では・・・



箱バン結成するのに、わざわざ与那城さんや高見さんみたいなビッグネームを
引っ張って来る訳が無いやろ?との事。




ていうか、与那城さんて誰?




高見さんて誰やのん?




ビッグネームなん?




そんなことはどーーーでもエエねん!





それより何より、今回のビッグバンドは、八代亜紀の専属バンドなん?




それも、八代亜紀が関西方面で公演する時の為・・・



いや、関西方面と云う事はやね、関西より西、及び南方面も含まれるんやわ。



っちゅうことは、紀伊半島、山陰、山陽、四国、九州、これ全部やわ。


絶対に!



どないしょう?エラいこちゃ!



_______________________________________________________


『今津ちゃん、ホンマに知らんかったんやなぁ・・・』



『・・・・・・・・・・』



『なんや?顔が真っ青やでぇー・・・自分、大丈夫か?』




『・・・・・・・・・』



_______________________________________________________

俺は、今までの経緯を順を追って思い出していた。



先ずは・・・吉澤さんからの電話の内容。




大阪方面で新たにビッグバンドを編成するのでメンバーを集めている、らしいという話。




なんでも、そのビッグバンドが入る箱はナンバのグランドキャバレー、らしいという話。




そして、その箱での演奏内容は思う存分ジャズを演奏できる、らしいという話。




その恵まれた環境を活かす為に関西バンド界の中でも腕利きのジャズマンに声を掛けている、らしいという話。




ジャズの真髄であるアドリブソロに関しても、ソロプレイヤーとして名の通ったミュージシャンを集めている、らしいという話。




その有名でゴキゲンなプレイが望めるミュージシャン達がトップ、セカンドのポジションに続々と顔を揃え、「夢のオールスター・ビッグバンド」の幕開けも間近に迫っている、らしいという話。




その「夢のオールスター・ビッグバンド」の4番テナーとして一緒にやりませんかぁ?っちゅう話やったわなぁ?




ギャラに関しても、俺が最年少(19歳)であり、ポジションも4番テナーではあるが、誰もが納得できるギャランティーを
確保するので何の心配にも及ばない!任せて下さい!っちゅう話で御座んしたわなぁ?



ん?



ちょっと待てよ。




落ち着いて、よーーーーーーく考えてみましょかねぇー





お調子者の坂本っちゃんの言葉や無いけど、そんな夢みたいな話、実際に有るやろかしら?

_______________________________________________________



『そんな深刻な顔してんと、なぁ!』




『ん?ああ・・・』




『せやけど・・・何で吉澤さん、今津ちゃんに八代亜紀のこと言わへんかったんやろなぁ?』




『ん、ああ・・・』




『あっそうか!堺の「王将」に出入りしてる連中から聞いたんちゃうか?今津ちゃんがガッチンガッチンのジャズキチやて!

ていうか、今津ちゃんの噂、そこら中でよぅ聞くからなぁ・・・なんせ、若いし、よぅ吹くし、それに鼻っ柱も強いから・・・』




『・・・・・・・』




『心配せんでも此処のキャバレーでの箱バン演奏の仕事もするらしいから、なぁ、大丈夫やて!ジャズの勉強も出来ると思うで。

何しろ、ピアノの与那城さんはジャズ理論バッチリの人やし。それに天下の高見さんも来はるんやもん、なぁ!』



『高見さん?』





『そや!高見さんやがな、知らんワケ無いわな!あれ?今津ちゃん、高見さんと面識ないの?』



『ん?楽器は?』




『はぁーーーー?もぅ、エエ加減にしぃやー!関西でバンド稼業やってて、高見さん言うたらテナーに決まってるがな!


天下の天才テナー奏者、高見さん!

何やったら言うたろかぁ?あの人は、若い時分から関西の一流バンドを渡り歩いてるから度胸満点やし、とにかく、怖いもの無し!

武勇伝にしても、数え切れんぐらい残ってるんよー・・・

それに、あの大胆不敵な面構えやもん!

面と向かって口答えする奴なんか誰一人として居らへんわな!

まぁ、手が早いっちゅうか、気に入らんことが有るとメンバーとかバンバン殴ったり、ボカボカにド突き回したりはするけど・・・

今津ちゃんも暴力事件の噂の一つや二つは・・・』




『ええーーーーーーーー!!!』  Σ(゚д゚ノ;)ノ

_______________________________________________________

今日、2つ目の驚愕の事実ですわ。

アカン・・・仏滅や・・・ (ー▽ー;)




    つづく

              

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


■電子メールマガジン 《日常生活そのものがアドリブです!》

■subtitle;  【切羽詰まってバンドマン!】

■提供 : まぐまぐ!

■発行人 : 今津雅仁

---------------------------------


■オフィシャルブログ : Jazz日記 2011  by 今津雅仁

   http://jazzirugi.exblog.jp/





by funky-ts-kr | 2018-01-13 23:50 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 高見延彦列伝「八代亜紀との想い出より..」

                                                                                
         切羽詰まってバンドマン!

           ----第95号----

        《八代亜紀との想い出》 


■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■




『今津ちゃん!今津ちゃんやないかぁー!』



(ん?)



新ビッグバンドのテスト会場でウォーミングアップをしてる俺にデカい声で話し掛けて来たのは・・・



(誰やったかいなぁ?)



オカッパ頭にマイルス眼鏡(馬鹿デカいグラサンの事)真っ赤なポロシャツに裾が広がりまくったジーンズ。




(また、上げ底15センチのコッポリて・・・)



(お前は、ガロかぁ?)



『久しぶりやなぁー』



『はぁ・・・』



(悪いけど、ホンマによぅ思い出さんねん)




『京ベラ(京都ベラミ/山口組三代目田岡一雄組長が狙撃されたマンモス・キャバレー)で一緒に演奏したんが最後やな?』



(最後て・・・そないに何回も・・・こんなオッサンと?)




『今津ちゃんもこのフルバンにパリヒ(引っ張り)されたん?』




『はぁ』



『4番テナー、や、なぁ?』



『そうですけど』



『あっと、そーかぁー・・・セカンドが・・・あっそやな!そっかそっか!エエやん!今津ちゃんやったらバッチシやがな!』



『はぁ・・・』



(何がバッチシやねん?よぅ解からんオッサンやなぁ・・・それより、オッサン誰?)



_______________________________________________________


『今津君ですか?』



振り向くと体格のエエ、アゴ髭を伸ばした中年の男が立っていた。



『ご苦労さんです。私、ドラムの吉澤です』



『あ!初めまして、今津です!どうぞ、宜しくお願い致します』



『ハハ・・・噂通りやなぁ・・・キッチリしてはるわ』



『はぁ?』





『いやいや、バンドの世界は速いんですよ、噂が。それで、坂本っちゃんとは知り合いですか?』




(坂本?ああ、そうかぁー!坂本さんやったんや!)




『ああ、はい!以前、京都のベラミでご一緒させて貰たんです』



『そうですか、いや、すみません、手を止めてしもて。どうぞ続けて下さい、練習の方を』



_______________________________________________________

楽器を吹き出して30分も経っただろうか。



続々とバンドマン達が集まって来ては、皆それぞれに楽器を出して練習を始める。




静かだったキャバレーのフロアが段々とざわつき始めて来た。




俺は一区切り付いたので、さっきのオッサン、いや、坂本さんがロングトーンしている方へ歩いて行った。




『坂本さん!ねぇ!坂本さん!』




『あ、なに?』




『いやーーー久しぶりですねー!』




『さっき、ワシがそれ言うたやん』



『ゴメン!僕、さっきは全然解らへんかったんよ!あんまりオカシな格好してるから、誰やろと思て・・・』




『えーー!なに?ほ、ほなら自分、空返事してたんかぁ?』




『せやから、謝ってるやん!なっ!さかもっちゃーーーん!』





このオッサン、いや、坂本さんという人は先輩なんやけど、じぇんじぇーーん気を使わんで済むメッチャ楽な人なんよ。




俺より5,6歳上やったかな?忘れたけど・・・どーーでもエエんよ!そんな細かいことは!




とにかく、完全なM気質の人でねぇー(キャハッ!素敵ぃー!)バッチリなんよ、完全ドSの俺との相性が!




『ワリィ!今、ウォーミングアップしてる最中やから』




『うん!解ってる!それでなぁ、ちょっと聞きたいことが有るんよ』




『なに?どしたん?いや、アカン・・・後にして』




『なにがアカンのん?なんで後回しなん?ねぇーなんでやのん!なんで?なんでか言うてくれたら邪魔せえへんから!』




『もぅーうるさいなぁ・・・』




『ほらぁーぜんぜん練習になってへんやんかぁ、なぁ!集中できへん時はなんぼ吹いても身につかへんで!なぁー、なぁーて!』




『もぅー!なんやねんなぁー!わかった、わかった!』




『わかってくれた?あーーー良かったぁー!』



_______________________________________________________


二人して缶コーヒーを買い、誰も居ない静かなロビーの椅子に腰を下ろした。




『ところで、今津ちゃん、ビータバンド(旅バンド)は嫌やったんと違うのん?』




『ビータバンドて?』





『今回のビッグバンドの事やがな、殆どビータやで』




『なに言うてんの!アホらし、今回のビッグバンドは此処のステージでジャズばっかり演奏するんが仕事やんか!』




『はぁ?また、自分も夢みたいな事を言うてからに。あんなぁー!箱バンを結成するんやったらやでぇ、わざわざ与那城さんや

高見さんみたいなビッグネームまで引っ張って来るかいな!』




『ど、どーいうこと』




『ホンマに何も知らんのん?』




『うん・・・グランドキャバレーでジャズ、としか・・・』




『アチャー!もぅー、しゃーないなぁー。よぅ聞きや!今回、新たにビッグバンドを結成したんはなぁー』



『うん』




『関西方面での八代亜紀専属のビッグバンドを作る為や!』




『ええーーーーーーーー!!!』



                      つづく

              


by funky-ts-kr | 2018-01-13 22:34 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 【切羽詰まってバンドマン!】どうすれば、ジャズ・ミュージシャンになれるか? 







■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■


   【切羽詰まってバンドマン!】

      ‐‐‐‐号外‐‐‐‐   


どうすれば、ジャズ・ミュージシャンになれるか?                   

■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■



僕がプロの舞台を踏んだのが17歳の6月の中頃。



晴れの初舞台となったのは、淡路島、洲本のキャバレー。



さすが漁師町だけあって客のほとんどがダボシャツに腹巻き、ステテコ姿のよく似合うおじさん。



勿論、ねじり鉢巻は欠かせない。



見た目も遊び方も豪快そのもの。



ビール片手にホステス相手に大声で笑いながら大人の会話を楽しむのが主流。


ホステスだって負けていない。


薄手のドレスで嬌声を上げながら、やはり大人の会話に興じている。


初ステージだから緊張するかと思いきや...


バンドのメンバーがステージに上がろうが演奏を始めようが、客席の喧騒は一向に収まらない。


つまり誰一人として演奏など聴いていないのだ。


17歳の少年が晴れの初舞台に緊張しようが、緊張のあまり顔を紅潮させようが知ったこっちゃない。


あまりの騒々しさに客席を見渡すと...


(ホンマに聴いてないんや...それにしても、やかましいな)


そうと解ると阿呆らしいやら、呆れるやらで、緊張どころか逆に気持ちが軽くなった。


本当は押しつぶされそうな緊張感の中で膝の震えを感じつつジャズの醍醐味を味わう...そんな一生の思い出になる強烈な初舞台を想像していたし、またそうであって欲しいとも思っていたのだが。


(なんや知らんけど、ガッカリやがな...)


夢と現実との間には、常に恐ろしいほど距離があるようだ。


ナット・ヘントフが書いた「ジャズ・カントリー」に出てくる少年トランペッターみたいな話なんて、なかなか現実には起こり得ないものなんだろう。

***********************************************************************************************



洲本のキャバレー「メトロ」で、掃除夫・ボーイ・バンドマンの3つの仕事をしながら俺のプロ生活が始まった。


昼の1時には店に入り、モップをバケツの水で洗いながら店内、トイレ、厨房などありとあらゆる所を綺麗に拭き込んで行く。


3時頃に配達されるビール20本入りのケースを何個か受け取り、カラ瓶の入ったケースを業者に渡す。


ケースから出したビールを冷蔵庫に入れていく。


前日の食器やコップなどが汚れたままになっていたら洗って棚に仕舞い込む。


そこまでが掃除夫の仕事である。


4時半ころに全てを終え、やっと自分の時間となる。


やることは一つ。


直ぐにサックス出してトレーニング開始。


5時半にはマネージャーが店にやって来る。


最初は色々と話し掛けてきていたが、話し相手である俺が不機嫌になるのを知ってからはホステスたちが出勤してくる6時までは自由に練習させてくれるようになった。

***********************************************************************************************



6時半になると、俺は上下黒服に着替えて蝶ネクタイを結ぶ。


要するに、そこからがボーイの時間に切り替わるワケだ。


7時には店内の厨房の前に立って客待ちとなる。


店側としては大入り満員を期待しているのだが、俺としては客など一人も来ないことを願う。


しかし、俺の願いなど叶うはずもなく、7時前からねじり鉢巻がステテコ姿で現れる。



(なんで来るねん...暇なんか?)



7時から始まる1ステージ目の演奏を聴きながらビールとおつまみをお盆に乗せて客席を廻る。


8時前に階段を駆け上がり、ジャケットに着替え、蝶ネクタイから棒ネクタイに結び変える。


そして、渡される譜面を見ながらショーの打ち合わせの中に入り説明を聞く。


ショータイムに出演するのは演歌歌手かヌードダンサーのどちらかで、大阪、神戸などのキャバレーに出演するアクロバットなどの曲芸やマリオネット人形、手品に漫才などの上品な出し物は「メトロ」には来なかった。


以前は来たのかも知れないが、客受けが悪いので呼ばなくなったらしい。


俺は「Bbメロ」或いは「Cメロ」の譜面を貰い、最初から最後までのメロディ全部を演奏する。


取り敢えず、ざっと譜面を見渡して譜面に問題が無いかだけ確かめる。


(大丈夫やな)


譜面に問題さえ無ければ、俺には何の問題も無い。


途中でシャープが100個になろうが、最初からフラットが200個付いてようが、32分音符が連続で500回出てこようが、64分音符と128分音符が交互に出てこようが、初見で間違えること無く最後まで完璧に演奏できる。


その自信は揺るぎないもので、一年間に600曲は演奏しなければ成らない「阪急少年音楽隊」に在籍していた者なら5拍子が7拍子に変わった後に15拍子と30拍子が互い違いに出てきても絶対にミスなどしない。


いや、出来ない。


それが「阪急少年音楽隊」というものなのだ!


バンドのメンバーたちはショータイムになると俺に頼り切る。


その雰囲気が俺にはすこぶる心地よかった。


ショータイムは2回。


それが終わると、またボーイに変身してフロアを駆け巡り、ビールやおつまみをテーブルに運んだり、片付けたり。


それが11時まで休みなく続く。


帰るのをグズっている客の尻を蹴飛ばして店から追い出すと、俺の一日の仕事が終了する。


後片付けを終えると、12時半。


ボーイ宿舎として充てがわれているマンションに帰り、飯を食って寝るのが2時ころ。



そんな生活が始まって三週間が過ぎた頃...




俺に転機が訪れた。






********************************************************








■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■
by funky-ts-kr | 2017-09-03 16:58 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)

Jazz 日記 in 「関西バンド業界の侍たち」より...高見延彦氏

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■



今月の前半、久しぶりに関西へ演奏ツアーに行った。




神戸方面は、盟友高木敏郎との2テナーでバトル・ライブ。



大阪方面は、「西宮コーナー・ポケット」つながりで知り合った武井努との、これまた2テナー・バトル・ライブ。



三日間すべてが充実した中身の濃い、とても良いライブで、客席を埋め尽くしたお客さんたちも大喜びだった。



高木、武井、両者とも本当に素晴らしいサックス奏者だし、何より柔軟性のあるプロの演奏家だ。



勿論、音楽性の高さには定評のある二人だしね。




そして...




今回は、もう一人...




大先輩のテナー・サックス奏者に会いに行ってきたのである。




関西が生んだ...唯一無二の存在




長きに渡り、関西バンド業界に君臨した文字通りの「帝王」...と言っても、マイルスみたいにデカいグラサンは掛けていないが。




また、いくら「帝王」と言われていても、マイルスなのか、はたまた「犬神家の一族」のスケキヨなのか見分けがつかないような嗄れたウメキ声で話したりはしない。




マイルスと比べるからややこしくなるが...ある意味、マイルスよりも「帝王」っぽい。






天から貰い受けた有り余る音楽的資質と表現者としての才能。




生まれついての強烈な個性を豊かな音楽的素養で咲かせた大輪の鮮やかさは、他の誰よりも見事である。




正しく「ワン・アンド・オンリー」






大阪の北区に《T.SAX》というお店がある。





この《T.SAX》のマスターをされているのが、関西バンド業界の「帝王」である。




僕が、日本人ジャズ・ミュージシャンの中で最も尊敬し、また多大なる精神的影響を受けたテナー・サックス奏者。




高見延彦




「切羽詰まってバンドマン!」の読者だった人たちにはお馴染みの日本ジャズ界の風雲児!





高見延彦氏を語るには、まずその奇想天外な「巷の噂」の数々の検証をした方が良いのかも。




つい先日、40年ぶりにお会いした時にも...




『今津くん、そんな話、信用する方がオカシイでしょ?有り得ないですよー』


『そんな人間いますか?ちょっと考えれば解るでしょーに!』


『ヒドいねぇー((((KKまったく!◉☓$★(((((((GД゚)ノ゙ ε=ε=*^』


『それじゃー* ´艸まるで>д<)p僕が))))★』



などと、強く否定された案件も多々あった。





然し乍ら...



『ハハ・・・うん、まぁ・・・実際に見たのなら、しょーがないのかなぁー』



『ハハ・・・なんでしょーねぇ...たまには...そーいうことだって...』




と、アッサリ事実を認める...というか



『それよりも僕が頭に来たのはね、こっちの話でね...』




などと、僕の知り得てなかった新説を披露して歴史の1ページを賑やかにされたり。





昔から、とにかく頭の回転が速く、話題が豊富で内容が面白い...という僕の高見延彦氏評は健在で、店にお邪魔してから帰るまでの4時間ほど、笑いっ放しでした。



※アルコール無しの素面での4時間は、大先輩の高見さんが下戸だからというんじゃなくて、高見さんの話は素面で聞く方が愉しめると思う。




兎にも角にも、数々の「巷の噂」がどのようなものなのか...



「切羽詰まってバンドマン!/関西バンド業界の侍たち」からの抜粋で恐縮ですが、少しばかりご紹介しましょうか。






■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■

                                                                                
     切羽詰まってバンドマン!

        ----第37号----

  《新春祝賀企画》関西バンド界の「侍たち」

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■



----------------------------------------------------

 先ず、関西バンド業界で一番多くの武勇伝を持つ方。


関西でプロとして仕事をする者なら、誰一人としてその名前を知らぬ者など居ないと云う
「豪傑」中の「豪傑」


「豪傑」の横綱を紹介する。


仮に、この方を「新美さん」と呼ぶことにする。担当するパートは、「テナー・サックス」だ。


楽器を操るテクニックは勿論のこと、何よりも「ハート」を大切にするプレイヤーである。



ただ、サックスの奏法は独自で編み出したものだと思う。



何故かと言うと・・・「サックスを吹く時に両方の頬っぺたを膨らませるのだ!D・ガレスピーみたいに・・・」



もぅ、これだけで誰の事か一発で解ってしまう!!!




_________________________________________

 

俺がプロで仕事をするように成ってから三ヶ月が経ち、4つ目のバンドに入団した頃。

 

尼崎の「ブルースカイ」というキャバレーに出演している9ピースのバンドに入団していた。

 

その時、3rd.アルトを吹いていたのが田中さんと云う広島から出て来た人で、俺はその人と急速に仲良くなった。

 

4歳上の田中さんは、優しくて、思い遣りがあり、情け深い性格で、俺に対して一度だって威張ったりするような事も無かった。



その反面、気が弱くて、気力に乏しく、酒は飲めないが無類の女好きで、とってもエエ加減な性格の持ち主であった。



この、田中さん・・・関西ビッグバンドの雄「神影孝雄とブルー・ナイツ・オーケストラ」のボーヤ(バンドボーイ)を丸三年間もしていたので、とにかく業界内の実情に詳しい。




_________________________________________



『今津くん、新美さんて知ってるか?』


『いえ、知りませんけど・・・』


『ありゃ!まだ誰からも聞いてなかったん?そらアカンわ。ほな、僕が教えてあげるわ』


『なんですのん?』


『この新美さん云う人はなぁ・・・』




田中さんも自分で話しながら、時折『信じられへんやろ?』『もぅ、真っ青や!』『メチャクチャやわ!』と合いの手を入れる位、度肝を抜かれるような話ばっかりでしたわ。





                  つづく



              





ありゃ!





「つづく」になっちゃいましたねぇー





ていうか...






僕、明日から...






「九州ツアー」なんですよー






個性派ジャズ・テナーが好きな方は九州でお会いしましょーねぇー














*****************************
by funky-ts-kr | 2016-10-25 05:05 | 切羽詰まってバンドマン! | Trackback | Comments(0)