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Jazz日記 in 谷殿という男〜なに突っ立てるんだよ!

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昨夜のライブ...




例によって30分ほど遅刻して店入りした俺の目の前に...






善人を絵で描いて、上から温厚を彩ったような顔をした男が一人ポツンと...




『今津さ〜ん!お早う御座いま〜す!』





『あれ?佳乃子は?』




『いえ、まだみたいですよ』




『何かあったんかな?渋滞...まぁ、なんか有ったら連絡してくるやろ』






それにしても...





大きな成長を遂げたスター・トランペッターを迎えてのライブなのに...






久し振りの「再会ライブ」なのに...




バンマスである俺が遅刻するのは別段、驚くこともないし、不治の病なのであるからして仕方ないとしても。




メンバーが誰一人来ていない。




スターに対して失礼だろうが!




ここはバンマスである俺がスターに謝罪するべきだし、それが「筋」というものだ。





だが、謝って済む話でもなかろう!




それに...ステージが始まる前に来れば...いや、俺のバンドはステージが終わるまでに来れば「遅刻」とは言わない。




ということで...





『ヨロシクねぇー!』と握手に『こちらこそ宜しくお願いします!』




礼儀正しいよなぁ...ホント!





谷殿明良である。










俺の大好きなトランペット奏者。



彼ほど笑顔の素敵な男も珍しい。




会った途端...ホッとする




いつ、どこで出会っても...ホッとする




もし...太平洋のド真ん中で溺れそうになりながら、必死に泳いでいる俺の後ろから15メートルを有に超えるサメが追いかけて来ている時に谷殿に出会ったとしよう。




そんな差し迫ったときであっても...



間違いなく俺は...
ホッとする




2006年11月に東京に舞い戻ってから新しい出会いがあったが、そのほとんどは若き多くのジャズ・ミュージシャンたち。




俺みたいな「我の強い」ポンコツを相手に優しく接してくれる。




一度目はね。




これが二度三度と続いていく内にその若きミュージシャンたちの所作が微妙に変化してくる。




その中でも初対面から昨夜に至るまで、谷殿からは同じ空気感しか感じない。




少し変わった所といえば...



感情を...いや、好き嫌いをちゃんと顔に出してくれていた事かな。




デカい声で笑うし...




シッカリ、困った顔もするし...





(このオッサンだけは...ホンマ、メチャメチャやなぁー)的な呆れ顔をもしてくれる。




心を明けっ広げにしてくれている谷殿ちゃん...




(うう...か、可愛い...)






こういう自分の思いを表情に出せる人間は100%信用できるし、すべての面において
「フェア」である!







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ステージが始まる前にいつも通り「俺用の椅子」をセッティングした。




それを見ていた谷殿が...





『僕も座って演奏しようかな』




『お!エエなぁー!気分によって立って吹いてもエエんやし...オモロイがな、フロントが二人して座ってるっちゅーのは!』




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大きなホールは別として、普段の仕事場は狭いライブハウス。




自分のソロが終わってボサーと突っ立てるサックスやトランペットのアホ顔にはいつも興ざめする。




ピアニストがソロを弾いているのに....




ベーシストがソロを弾いているのに...




客席からの死角に突っ立てるだけでも迷惑千万なのに。




同じバンドのメンバーの音に...聴いてるのか聴いてないのか知らんが、薄い表情で身体一つ揺り動くこともない。




観に来てくれているお客さん達にすれば...




(ピアノ...盛り上がらないけど...そんなに大したことないのかな?)




(横で見ているサックスの人も嬉しそうじゃないし...なんとなく笑顔っぽいんだけど)




(初めてジャズを聴きにきたけど...ぜんぜん楽しそうじゃないし、やっぱりジャズって難しいんだろうなぁー)





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日本ジャズ界が衰退の一途を辿っている原因に言及する人が時々いるが...




諸悪の根源がジャズ・ミュージシャンたちに最も多くある事に異論はあるまい。




楽しくもなく、ワクワクもしない。




かと言って、スリル満点どころかスリル減点だし、その上にお喋りしてもいけない。



ミラーボールが回っている訳でもない何の変哲もない白熱電球に照らされた演奏者の難しい顔に、難しい曲の解説。





良いところ?





強いて言えば...








「真面目!」





そんな悪夢の館みたいな所にわざわざ出掛けて行くヤツがいると思うかい?





俺だったら...




絶対に行かない!!!



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by funky-ts-kr | 2018-03-29 11:09 | 素晴らしき仲間たち


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